倉敷美観地区の古民家カフェ「ちゃテラス」で、石臼で挽く本格抹茶づくりやほうじ茶体験を楽しめます。岡山県産茶葉を使った体験プログラムと、茶そばランチも充実した日本茶専門店をご紹介します。
倉敷美観地区の東町エリアに、ひときわ味わい深いお茶体験スポットがあります。築70年以上の古民家をリノベーションした日本茶専門店「ちゃテラス」です。主に岡山県産の茶葉を使い、石臼(いしうす)で茶葉を挽いて本格抹茶をつくる体験や、茶葉を炒って香ばしいほうじ茶をつくる体験、好みの茶葉を組み合わせるオリジナルブレンド茶づくり体験など、日本茶の奥深さを肌で感じられるプログラムが充実しています。カフェも併設されており、茶そばランチやスイーツも楽しめる、倉敷観光のおすすめスポットです。
-
目次
- 「ちゃテラス」とは?日本茶の魅力を体験できる古民家カフェ
- ①石臼でお抹茶を挽く体験 ── 自分の手で生まれる、挽きたての一杯
- ②ほうじ茶づくり体験 ── 炒りたての香りが広がる、日本茶のもう一つの顔
- ③オリジナルブレンド茶づくり体験 ── 世界にひとつだけの「自分のお茶」を作る
- カフェでは茶そばランチも楽しめる ── 倉敷で味わう、お茶を纏った一皿
- 倉敷美観地区観光のしめくくりに、ぜひ「ちゃテラス」へ
「ちゃテラス」とは?日本茶の魅力を体験できる古民家カフェ

東京から倉敷に移住したオーナーの石井さんは、「晴れの国」として知られる岡山県の温暖な気候が高品質なお茶の栽培に適していることに着目しました。日本茶の資格を取得したうえで、不動産業を営む傍ら、2022年に週末限定のお茶体験カフェをオープン。

日本茶にはさまざまな種類がありますが、実はすべて同じ「チャノキ」の葉から作られており、加工方法の違いによって緑茶・ほうじ茶・抹茶などに分かれていきます。「ちゃテラス」では、体験を通じてそのしくみを楽しく学びながら、できたての美味しさも味わえます。茶葉の販売も行っています。

店舗は築70年以上の古民家をリノベーションしており、白壁と瓦屋根が続く倉敷美観地区の町並みにも自然と溶け込んでいます。急な階段(日本の古い建物に多い急勾配の階段です)を上がった2階に、体験スペースとカフェスペースが一体となったフロアがあります。体験の様子がカフェからも見えるため、お茶を楽しむお客さんも興味深そうに眺めていました。
①石臼でお抹茶を挽く体験 ── 自分の手で生まれる、挽きたての一杯

この体験では、「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれる抹茶の原料となる茶葉を、石臼を使って自分の手で挽き、本格的な抹茶を作ります。碾茶とは、収穫前の一定期間、茶葉に日光を当てないようにして育てる「被覆栽培(ひふくさいばい)」という方法で育てたお茶の葉を、揉まずに乾燥させたものです。この栽培法によって葉緑素が増し、茶葉は柔らかく鮮やかな緑色になります。また、旨味成分である「テアニン」が豊富に含まれるため、渋みが少なく甘みと旨味が際立つのが特徴です。

使用する石臼は、香川県・八栗五剣山(やくりごけんざん)で産出される「庵治石(あじいし)」を加工した、こだわりの一品です。粉末が飛び散って衣服を汚さないよう、エプロンも用意されています。

体験は、5gの茶葉を石臼に置き、1秒に1回のペースで反時計回りに3分間回すところからスタートします。最初はやや粗い粉末が出てきますが、回を重ねるごとに細かく滑らかな抹茶が仕上がっていきます。最初の3分で出来た粗めの抹茶は、そのままでは口当たりが少し荒いため、アイスクリームにかけた「アフォガード(抹茶がけアイス)」としていただきます。2回目はすべての茶葉をのせて、同じように3分間挽けば完成です。

石臼を回すコツも徐々につかめてきて、2回目にはきめ細かく鮮やかな色の抹茶が仕上がりました。刷毛(はけ)で集めるのが意外と難しく、庵治石ならではのきめ細かさが実感できます。集めた粉末を茶こしで濾せば、本格的なお抹茶の完成です。
お抹茶アフォガードでいただく

最初に挽いた粗めの抹茶は、アイスクリームにかけて「アフォガード」としていただきます(アフォガードはアイスに液体や粉末をかけて楽しむデザートです)。ほんのり甘いアイスと抹茶の苦みが絶妙にマッチして、暑い日にはとくに格別でした。
挽きたてのお抹茶を点てる

アフォガードの後は、2回目に挽きたての抹茶を自分で点て(た)ていただきます。茶杓(ちゃしゃく)で抹茶を2杯すくい、湯冷ましした約70ccのお湯を注ぎ、茶筅(ちゃせん/抹茶を混ぜる専用の竹製の道具)で泡立てるようにしっかりと混ぜれば完成です。お作法(礼法・マナー)は気にせず、自分のペースで楽しめるので初心者の方も安心です。

先に黒豆のお菓子(黒豆は日本で縁起のよい食材として親しまれており、甘く煮て食べるのが一般的です)をいただき、その後で挽きたての抹茶を一口。香り豊かで、まろやかな甘みと旨味が広がり、何度でも飲みたくなる味わいです。残ったお抹茶は持ち帰り用の袋に入れてもらえ、茶葉のお土産も付いているので、帰宅後も体験の余韻を楽しめます。
【石臼でお抹茶を挽く体験】
定員:4名(最小実施人数1名)/所要時間:約50分/会場:ちゃテラス2階/料金:3,300円(税込)
②ほうじ茶づくり体験 ── 炒りたての香りが広がる、日本茶のもう一つの顔

ほうじ茶とは、緑茶の茶葉を高温で炒った(焙じた)お茶のことです。加熱によって独特の香ばしい香りが生まれ、苦みや渋みが抑えられてすっきりとした口当たりになります。体験の最初に、まだ炒る前の茶葉で淹れたお茶を試飲し、炒った後との変化を比べます。シンプルながら奥深い変化が楽しみです。

「焙烙(ほうろく)」と呼ばれる陶製の焙じ器に緑茶を入れ、弱火で焦がさないように丁寧に炒っていきます。この焙烙は常滑焼(愛知県で作られる伝統的な陶器)の急須のような形をしており、炒り終わると本体を引き出して取り出せる機能的な道具です。この日に使用した茶葉は、岡山県美作(みまさか)産の「まえあかり」という品種でした。炒っている最中からいい香りが漂い、気分も自然と上がります。

炒りたてのほうじ茶は、80度ほどのお湯(沸騰したお湯だと渋みが出やすいため温度が大切です)で淹れてもらいます。最初に飲んだ炒る前のお茶と色と味を比べると、その違いに驚かされます。炒りたてのほうじ茶は格別の美味しさで、残りは袋に入れて持ち帰れます。

【ほうじ茶づくり体験】
定員:4名(最小実施人数1名)/所要時間:約40分/会場:ちゃテラス2階/料金:2,860円(税込)
③オリジナルブレンド茶づくり体験 ── 世界にひとつだけの「自分のお茶」を作る

岡山県産を中心にした複数の茶葉の中から、好みの品種を組み合わせてオリジナルのブレンド茶を作る体験です。3種の茶葉とそれぞれの配合割合を自分で選び、実際に淹れて飲みながら味を確かめます(配合は1回だけ変更可能)。茶葉の種類に合ったお茶の淹れ方も丁寧に教えてもらえます。残ったお茶は持ち帰ることができるので、旅の思い出を味覚でも持ち帰れるのが嬉しいポイントです。
【オリジナルブレンド茶づくり体験】
定員:4名(最小実施人数1名)/所要時間:約40分/会場:ちゃテラス2階/料金:3,850円(税込)
カフェでは茶そばランチも楽しめる ── 倉敷で味わう、お茶を纏った一皿

体験だけでなく、カフェでのランチも見逃せません。メニューにはほうじ茶蕎麦と抹茶蕎麦から選べるお茶そばランチがあり、今回は「ふわとろ湯葉のあんかけ茶そば、ドリンク付き(税込1,380円)」をいただきました。湯葉(ゆば)とは、豆乳を温めたときに表面にできる薄い膜のこと。京都や日光の名物としても有名な日本の伝統食材で、ふわふわとろとろの食感が特徴です。その湯葉と蕎麦がとろみのあるあんかけに絡まり、上品でやさしい味わいでした。ドリンクには、優雅な香りとまろやかな甘みが特徴の「おくゆたか」という品種の冷茶をチョイス。食事とお茶の相性の良さをあらためて実感できます。
スイーツも充実!

お茶に合うスイーツも種類豊富に揃っています。店頭の看板が気になっていた「ねこもなか 2個(税込350円)」をテイクアウトしました。最中(もなか)は、香ばしい餅米の皮にあんこを挟んだ日本の伝統的な和菓子です。注文を受けてから作ってくれるため、皮はサクサクとした食感を保っており、あんこの甘さとのバランスも絶妙でした。
倉敷美観地区観光のしめくくりに、ぜひ「ちゃテラス」へ

倉敷美観地区の古町家で本格的な日本茶体験ができる「ちゃテラス」は、旅行者や外国からのお客さまはもちろん、地元の方にとっても気軽に楽しめるスポットです。お茶をただ飲むだけでなく、自分の手で作ることで、日本の茶文化の奥深さをより身近に感じられるはずです。倉敷美観地区を訪れる際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
【ちゃテラス】
所在地:岡山県倉敷市東町1-26
TEL:050-3091-3561
営業日:土・日曜日、祝日(不定休)
営業時間:10:00~17:00
駐車場:なし