旅の記憶を持ち帰るお土産。名古屋周辺には、白醤油・三河味淋・豆味噌など、個性豊かな発酵調味料があります。料理人直伝の、帰宅後も楽しめる簡単レシピをご紹介します。
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目次
- 名古屋の周辺地域は“発酵王国”。日本有数の醸造文化が育った土地
- 白醤油:淡い色の中に甘味とうま味が詰まった白い醤油
- 白醤油レシピ:白醤油ドレッシング~新玉ねぎとちりめんじゃこのサラダ~
- 豆味噌:名古屋ならではの力強い発酵のうま味
- 豆味噌レシピ:豚肉と野菜の豆味噌焼き
- 味淋:料理にもデザートにも使える、自然な甘み
- 三河味淋レシピ:葛餅~三河味淋シロップがけ~
- タピオカ粉で!なんちゃって葛餅
- 旅のお土産を「使う」ことで、旅は続いていく
名古屋の周辺地域は“発酵王国”。日本有数の醸造文化が育った土地

名古屋の周辺地域 は、日本でも有数の発酵・醸造文化が発展した地域です。海運で栄えた歴史を持ち、米、大豆、小麦、塩など原料が集まりやすかったことから、古くから醤油、味噌、酢、味淋、日本酒づくりが盛んに行われてきました。
特に三河地域や知多半島には蔵が多く集まり、白醤油、三河味淋、豆味噌など、世界でも珍しい調味料が数多くあります。
発酵食品は単なる調味料ではなく、地域の気候や暮らし、人々の知恵が詰まった食文化そのもの。名古屋を旅したあとも、その味を自宅で使うことで、旅の続きを楽しむことができます。
名古屋に来られた方は、「おいしいし、この土地ならではのお土産になる!…でも、どうやって使ったらいいかわからない!」と思う方もいるかもしれません。でも実は、これらの調味料は日本料理だけでなく、普段作っている料理にも取り入れられるんです。
今回は、名古屋ならではの3つの発酵調味料と、家に帰ってからでも気軽に試せるレシピをご紹介します。レシピを提供してくださったのは、名古屋の周辺地域 の調味料を知り尽くした日本料理「一灯」の長田勇久料理長。和のテイストもありつつも、和食以外にも応用ができる簡単レシピを教えていただきました!
レシピを教えていただいた日本料理「一灯」の長田シェフの記事はこちら ↓
白醤油:淡い色の中に甘味とうま味が詰まった白い醤油

白醤油は愛知県碧南市で生まれた、日本でも珍しい白い醤油です。一般的な濃口醤油とは異なり、小麦を多く使って作られるため、色は淡くても甘味とうま味があります。他の醤油と違って素材そのものの色を活かせるため、主に料亭で使用され、和食では卵料理やお吸い物によく使われます。
白醤油の一番の魅力は、いわゆる「醤油味」にならないこと。白醤油以外の醤油を料理に使うと一気に「和食感」が出てしまいますが、白醤油は料理の色を変えずに味だけを引き立ててくれます。クリーム系の料理やパスタ、オリーブオイルのドレッシング、魚料理などとも相性がよく、日本食以外でも活躍します。
白醤油レシピ:白醤油ドレッシング~新玉ねぎとちりめんじゃこのサラダ~

材料
白醤油ドレッシング
- 白醤油 30cc
- 酢 30cc
- オリーブオイル 30cc
- みりん 5cc
- バジル 適量
- 粗びき胡椒 適量
サラダ材料(4人分)
- 新玉ねぎ 1個
- ちりめんじゃこ 40g
- ミニトマト 4個
- 大葉 4枚
作り方
1.ドレッシングは材料を全てドレッシングボトルなどに入れてよく混ぜる。

2.新玉ねぎは皮をむき、縦半分に切る。繊維に沿って縦にスライスする。サッと水で洗って水切りする。

3.大葉は縦に半分に切り、横に千切りしてサッと水で洗って水切りする。

4.ミニトマトは半分に切る。

5.器に新玉ねぎ、ちりめんじゃこ、ミニトマトを盛り付け、上に大葉をのせる。

6.食べる直前でドレッシングをかける。

ポイント
- 今回は白醤油を使いましたが、たまり醤油を使えばコクのあるドレッシングになります。ごま油を少し加えると中華風になります。
- 新玉ねぎは水にさらしすぎないこと。
- 大葉を横に切るのは盛り付けた時に丸くまとまるからです。切ってからサッと洗うと黒くなりにくいです。
豆味噌:名古屋ならではの力強い発酵のうま味

豆味噌は、大豆だけを原料に作る名古屋周辺地域特有の味噌です。長期間熟成させることで、濃厚なコクとうま味が生まれます。日本の味噌の中でも独特の存在で、赤だしの味噌汁や味噌煮込みうどんなど、名古屋の郷土料理には欠かせません。
しっかりとしたうま味があるので、実は肉料理やソースとの相性も抜群。煮込めば煮込むほどうま味が出るという特徴があり、少量加えるだけで料理に深みが生まれます。海外ではバーベキューソースやシチュー、カレー、ロースト野菜の隠し味にも使いやすい調味料です。
豆味噌レシピ:豚肉と野菜の豆味噌焼き

材料(4人分)
- 豚バラ肉スライス 160g
- ナス 1本
- ミニトマト 8個
- ズッキーニ 1/2本
- 玉ねぎ 1/2個
- 大葉 4枚
- 七味唐辛子 適宜
- 油 適量
味噌ダレ
- 豆味噌 20g
- みりん 大さじ2
- 水 100cc
- レモン 1/4個
作り方
1.豚バラ肉は20gずつに分け、片面に片栗粉をつけてくるくると巻く。
ナスはがくを落としピーラーで皮をまだらに剝く。縦半分に切り横に4つに切る。 ズッキーニは8ミリくらいの厚さの輪切りにする。玉ねぎはくし切りする。ミニトマトはへたを取る。大葉は千切りにして水でさっと洗う。

2.ボウルに八丁味噌とみりんを入れてよく混ぜ合わせる。

3.フライパンに油を入れ火にかける。ナスと玉ねぎ、ズッキーニを入れて焼く。焼き色がついたら取り出す。

4.フライパンに再度油を敷き火にかける。豚バラ肉を入れ、時折返しながら表面に焼き色がついたら②と水、ミニトマトを入れる。沸いてきたら火加減を調整し、肉に火が入ってきて少しとろみがついてきたら③を加えて、さっと煮る。

5.仕上げにレモン汁を回しかけて、器に盛り付ける。上に大葉を乗せ、好みで七味唐辛子を振る。

ポイント
- 豆味噌(特に八丁味噌)は硬くて液体となじみにくいので、少しずつ味淋を加えてください。
- 野菜はお好みのものを使用してください。
味淋:料理にもデザートにも使える、自然な甘み

愛知県は全国トップクラスの味淋生産量を誇る地域です。特に、三河味淋は愛知県三河地方で長く作られてきた伝統的な味淋で、もち米、米麹、米焼酎という米だけを原料に、時間をかけて熟成させるため、単なる甘味料とは異なる奥深い風味があります。砂糖のような直接的な甘さではなく、発酵から生まれる自然でやわらかな甘みが特徴です。低GI食品としても注目されています。
照りやコクを加える和食だけでなく、焼き菓子、フルーツ、ドリンクなどにも応用できます。「お米のリキュール」のような感覚で使うのもおすすめです。
三河味淋レシピ:葛餅~三河味淋シロップがけ~

材料
- 葛粉 40g
- 水 200cc
- 三河味淋 適量
- きな粉 適量
作り方
1.三河味淋は鍋に入れて中火にかけ、湧いてきたら弱火にして3割程度煮詰める。

2.葛粉をボウルに入れて水を加えて溶かし、アミで濾す。鍋に入れて中火にかけ、ゴムベラで練っていく。

3.透明になってコシが出てきたら、水に濡らしたトレイに移してのばす。そのまま冷水に落して冷やす。

4.一口大の大きさに切り、器に盛り付け、みりんシロップときな粉をかける。

ポイント
- 葛粉を練っている時、全体が透明になってきたらすぐ練るのをやめるのではなく、さらに1~2分練ってください。
- 冷水は冷たすぎるとすぐ白くなってしまうので、粗熱が取れたらすぐに取り出しましょう。冷蔵庫に入れると白くなります。
タピオカ粉で!なんちゃって葛餅
「葛粉が手に入らない・・・」そんな時は、タピオカ粉と片栗粉を使って、葛餅に近いデザートが作れます。くず粉よりももちもちした食感になります。

材料
- タピオカ粉 30g
- 片栗粉 10g
- 水 200cc
作り方
1.粉と水をしっかり混ぜ、中火にかけて絶えず混ぜる。

2.透明になってコシが出てきたら、水に濡らしたトレイに移してのばす。そのまま冷水に落して冷やす。

3.一口大の大きさに切、器に盛り付け、みりんシロップときな粉をかける。

ポイント
- 白濁→半透明→透明になったら、さらに1〜2分しっかり練りましょう。
- タピオカ粉と片栗粉に砂糖を20gプラスするとデザート感や口当たりが良くなります。
- 冷蔵庫で長時間冷やすと硬くなりやすいので、冷やすなら短時間もしくは常温で提供しましょう。
旅のお土産を「使う」ことで、旅は続いていく
旅先で買った調味料は、使用用途がわからず、家に帰るとキッチンの奥にしまわれてしまうこともあります。でも、その土地の味は、使ってこそ本当の魅力が見えてきます。
名古屋周辺地域の発酵調味料は、伝統的でありながら意外なほど自由に使えるものばかり。いつもの料理に少し加えるだけで、新しい味の発見につながります。名古屋で出会った発酵文化を、ぜひご自宅でも楽しんでみてください。