岡山県の清音駅と広島県の神辺駅を結ぶ井原鉄道では、沿線地域の魅力をテーマにした特別なデザインの列車を運行しています。今回紹介する「DENIM TRAIN(デニムトレイン)」もそのひとつです。
世界的に評価されるデニム生地の産地、岡山県井原市にちなんで、車体全体にデニムをイメージしたデザインが施されています。
2026年10月12日には、座席にも井原産のデニム生地を使用したリニューアルを記念して、車両の見学会と出発式が開催されました。今回は、当日の体験乗車の様子とともに、新しくなった座席や車両の特徴、デニムのまち井原市の魅力を紹介します。
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目次
- 井原鉄道「DENIM TRAIN(デニムトレイン)」とは
- リニューアル記念の出発式と体験乗車の様子
- 地元企業が共同開発!デニム素材を使った特別な座席
- 井原高校の生徒が紹介!デニムトレインのデザインと車内の魅力
- 井原駅前でデニムイベントや地元グルメも楽しめる!
- まとめ|デニムトレインに乗って、デニムのまち井原市へ
井原鉄道「DENIM TRAIN(デニムトレイン)」とは

2025年10月に運行を開始した「DENIM TRAIN(デニムトレイン)」は、井原市の特産品であるデニムをテーマにした観光列車です。車体にはデニム生地をイメージしたデザインが施され、車内のヘッドレストカバーやカーテンにもデニムが使われています。今回のリニューアルでは、燃えにくくする特殊な加工を施したデニム生地を座席に採用。車体だけでなく、車内でもデニムの質感や魅力をより身近に感じられる列車になりました。
また、井原鉄道ではデニムトレイン以外にも、沿線の名物や観光スポットをテーマにした、さまざまな特別デザインの列車を運行しています。
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世界が注目するデニム生地の産地・井原市

岡山県でデニムやジーンズの産地といえば、倉敷市の児島地区がよく知られています。しかし、井原市も日本を代表するデニムの産地のひとつです。
児島地区がジーンズの縫製(生地を裁断して縫い合わせ、製品を作ること)で知られる一方、井原市は古くから綿織物の製造が盛んな「織物のまち」として発展してきました。糸を織って布を作る「機織り(はたおり)」の技術は、現在の高品質なデニム生地の生産にも受け継がれています。井原市で作られるデニム生地は、日本国内だけでなく海外の有名ファッションブランドにも採用され、世界的に高く評価されています。
リニューアル記念の出発式と体験乗車の様子

2026年10月12日(月・祝)、井原駅で開催されたデニムトレインの出発式と体験乗車に、私も参加してきました。

午前9時30分ごろ、多くの人が見守るなか、デニムトレインが井原駅のホームに到着しました。その後、車内でリニューアルを記念する出発式が行われました。

ホームには、井原市のご当地キャラクター「でんちゅうくん」も登場しました。ご当地キャラクターとは、地域の魅力を伝えるために作られたキャラクターのこと。地元の小学生のPR大使や岡山県立井原高校の生徒たちも参加し、会場を盛り上げていました。
地元企業が共同開発!デニム素材を使った特別な座席

今回のリニューアルで最も注目したいのが、井原産のデニム生地を使用した特別仕様の座席です。出発式では、座席の製作に携わった岡山市の「株式会社ナック」の柴社長から、開発についての説明がありました。

鉄道車両の座席には、火災時に燃え広がりにくい「難燃性」など、安全性に関する厳しい基準が設けられています。そのため、一般的なデニム生地をそのまま座席に使用することはできません。今回の特別仕様の座席は、複数の地元企業などが協力して開発したものです。

座席に使われているデニム生地は、井原市のデニムメーカー「KUROKI」が提供しました。岡山市の「株式会社ナック」が、デニム素材を使ったオーダーメイド家具の製作技術を生かして、鉄道車両用の難燃加工デニムの開発や座席の設計を担当。浅口市の「株式会社昌栄」が燃えにくくする加工や水をはじく撥水加工を施し、「株式会社JR西日本後藤テック」が座席の生地の張り替えを担当しました。それぞれの企業が持つ専門技術を組み合わせることで、デニムの風合いと鉄道車両に必要な安全性を両立した座席が完成しました。
井原高校の生徒が紹介!デニムトレインのデザインと車内の魅力

新しくなったデニムの座席以外にも、デニムトレインには見どころがたくさんあります。車両の外側と内側に施されたさまざまなデニムのデザインについて、地元の岡山県立井原高校の生徒たちが紹介してくれました。

まずは車両の外観です。ジーンズの縫い目や、長く使い込んだデニム特有の色落ち、ポケットなどを補強する小さな金具「リベット」の模様まで、細かく表現されています。さらに、車体の左右で異なるデザインが採用されているのも特徴です。続いて車内では、井原の職人が手がけた藍染めのカーテンが紹介されました。藍染めとは、植物由来の染料などを使って布を青く染める日本の伝統的な染色技法です。カーテンを束ねて留めるひも状の飾り「タッセル」にもデニムが使われています。

また、座席の頭を支える部分に付けられたデニム製のヘッドレストカバーには、井原鉄道沿線のご当地キャラクターがデザインされています。私が座った席には、矢掛町のキャラクター「やかっぴー」が描かれていました。座席によって異なるキャラクターが登場するので、乗車した際にはぜひチェックしてみてくださいね。

出発式の後は、体験乗車として井原駅から早雲の里荏原駅までを往復しました。新しくなったデニムの座席に座りながら、井原鉄道沿線の景色を楽しむことができました。
井原駅前でデニムイベントや地元グルメも楽しめる!

リニューアルを記念して、2026年10月12日には井原駅前でもさまざまなイベントが開催されました。「デニムトレイン完成記念マルシェ」をはじめ、地元の特産品を販売する「井原線DE得得市」や、公共交通に親しむイベントなどが行われました。会場には昔ながらの車体デザインが特徴的なボンネットバスが登場し、飲食や買い物を楽しめる屋台も並びました。井原市の特産品である、大粒で甘いぶどう「シャインマスカット」も特別価格で販売され、多くの人でにぎわっていました。

「井原線DE得得市」は、井原鉄道の利用促進と地元の特産品の販売を目的としたイベントで、主に毎月第1日曜日に開催されています。ただし、開催されない月や日程が変更になる場合もあります。訪れる際は、最新の開催情報を公式サイトで確認してください。

まとめ|デニムトレインに乗って、デニムのまち井原市へ

井原鉄道では、これまでも星をテーマにした「スタートレイン」や、アートを取り入れた「アートトレイン」など、沿線地域の魅力を伝える個性的な列車を運行してきました。そのなかでもデニムトレインは、井原市が誇る伝統産業の魅力を、実際に見て、触れて、感じられる特別な列車だと思います。
井原駅構内には、井原産のデニム製品を購入できる「井原デニムストア」があります。また、井原市内には、地元メーカーが手がけるジーンズやデニム製品を直接購入できるショップも点在しています。列車でデニムの魅力を感じた後は、街に出てお気に入りのデニム製品を探してみるのもおすすめです。伝統的な織物の技術が今も息づく、デニムのまち井原市。ぜひ「DENIM TRAIN」に乗って、井原ならではのものづくりの魅力に触れる旅を楽しんでみませんか。
なお、デニムトレインの運行日や運行時刻は変更される場合があります。乗車を希望する方は、事前に井原鉄道の公式サイトで最新の運行予定をご確認ください。
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